目に関するさまざまな
症状について

一般的な眼科診療イメージ画像

当院では、目や目の周辺、また「見え方」に関し、何らかの異常を感じた際の、幅広い診療を行っています。目に関する疾患には、感染によるもの、アレルギー性のもの、生活習慣の影響によるもの、さらには加齢によるものや体質によるものなど、様々な原因が考えられます。また、緑内障や糖尿病網膜症のように、自覚症状がないまま進行し、気が付いた時には視力が障害されてしまっている疾患もあります。

当院では丁寧な問診を行い、必要に応じて視力検査、眼圧検査、細隙灯顕微鏡検査、視野検査、眼底検査等を実施し適切な診療を行っていきます。目や見え方に何らかの異常を感じたら、また健康診断で異常を指摘されたら、早めにご相談ください。

以下のような症状などがありましたら、気兼ねなくご相談ください

  • 目がかゆい
  • 目やにや涙が出る
  • 目がゴロゴロとする
  • 目が乾く感じがする
  • 目や目の奥が痛い
  • 白目が赤い
  • 慢性的に目が疲れる
  • まぶたの腫れや痛みがある
  • ものが見えにくくなった
  • ものが二重に見える
  • ものがゆがんで見える
  • 異常にまぶしく感じる
  • 目の前に糸くずや虫のようなものが飛んで見える など

結膜炎

まぶたの裏側から眼球の白目の部分を覆っている、結膜と呼ばれる透明の膜に炎症が起こるのが結膜炎です。症状としては結膜の充血、腫れ、かゆみ、異物感、目やになどが現れます。結膜炎は原因によって、「アレルギー性結膜炎」「細菌性結膜炎」「ウイルス性結膜炎」などに分けられます。

アレルギー性結膜炎

花粉が原因となって特定の季節のみに発症する季節性と、ダニ、ハウスダストなどが原因となって発症する通年性があります。それ以外にも、動物の毛や食べ物などに反応することもあります。通常は両目に、かゆみや充血などが起こります。

細菌性結膜炎

細菌の感染が原因となり起こる結膜炎です。子どもや高齢者など免疫機能が低い方や、コンタクトレンズを使用している方に起こりやすいことがわかっています。他人から感染することはほとんどありません。

ウイルス性結膜炎

ウイルス感染により起こる結膜炎で、感染力が強く他人から容易に感染します。ときに集団感染を引き起こすこともあります。ウイルス性結膜炎の代表的な原因であるアデノウイルスは、流行性角結膜炎(はやり目)や咽頭結膜熱(プール熱)を起こします。また、エンテロウイルスは出血を伴う急性出血性結膜炎として発症します。最初は片目だけに発症しますが、数日後に反対の目にも発症することがあります。症状としては、充血と多量の目やに、異物感や痛みが特徴的で、治るまでに1週間から2週間程度かかります。まれに角膜の濁りが生じることがあるので注意が必要です。

結膜炎の治療

アレルギー性結膜炎には抗アレルギー薬の点眼薬とともに、症状が強いときには併せてステロイドの点眼薬を使用することもあります。細菌性結膜炎には、抗菌薬の点眼薬を使用します。細菌の種類によっては眼軟膏や内服薬を使用する場合もあります。ウイルス性の場合は、ウイルスを根本的に排除する薬はないため、症状を抑えるステロイドなど抗炎症薬の点眼薬を使用するとともに、他人に感染させないための注意が必要です。

角膜炎・角膜びらん・角膜潰瘍

黒目の表面の部分を角膜といい、その角膜に炎症を起こしたものが角膜炎です。症状としては、目の痛みやゴロゴロとした異物感、充血、流涙、まぶしさ、見づらさといったものがあります。
角膜炎の原因としては、角膜にできた傷に細菌が侵入して起こる細菌感染が挙げられます。細菌感染はコンタクトレンズの汚染や不適切な使用によって生じることもあります。コンタクトレンズによる感染症には、細菌以外に、アカントアメーバによる感染症も知られています。アカントアメーバ角膜炎は非常に痛みが強いのが特徴で、長い時間をかけて治療をしても完全に治ることが難しく、角膜混濁による視力低下が残る場合があります。コンタクトレンズ装用中に異常を感じた場合は速やかに装用を中止してください。それでも症状が軽快しない場合には早めの受診をお勧めします。それ以外にも関節リウマチをはじめ自己免疫反応によるもの、ヘルペスウイルスによるものなど、原因は多岐にわたります。
外傷などで角膜上皮の一部が欠損してしまう状態を、角膜びらんといいます。この場合は正常なバリア機能が失われてより深くまで細菌が侵入しやすく、進行すると角膜潰瘍や角膜穿孔を生じて視力障害が残ることがあるので注意が必要です。

治療としては細菌性のものに関しては抗菌薬の点眼薬や眼軟膏を用います。ヘルペスウイルスによるものは、もともと体の中にいたウイルスがストレスや過労などによる免疫力の低下で発症するもので、抗ウイルス眼軟膏や内服薬を使用しますが、再発する場合があります。このほかアレルギー反応や免疫反応による角膜炎に対しては、ステロイドの点眼薬や内服薬を用いる場合があります。いずれにしても、本来透明な角膜に炎症が起こると治っても濁りが残り視力低下につながることがあるので、早めの治療が必要です。

翼状片

翼状片

翼状片

翼状片は白目を覆っている結膜が、黒目の部分の角膜にかかる形で入り込んでくる疾患です。その形が翼に似ていることから、この名があります。発症の原因はよくわかっていない部分もありますが、紫外線や、コンタクトレンズの長期装用による慢性的な刺激などによって引き起こされると考えられており、高齢者によくみられる疾患となっています。

症状としては結膜の充血や異物感といったものがあります。また翼状片は鼻側から白いものが角膜を覆うように入り込んで、見た目でもわかるようになります。大きくなり中心部に近づくにつれて角膜の形が歪み、乱視による視力低下が引き起こされる場合があります。

治療としては、基本的に悪性の組織ではなく、進行もゆっくりであるため、経過観察が基本ですが、見た目の問題や視力障害の問題などが生じた場合、手術により翼状片を摘出します。

翼状片手術 料金
1割負担
約4,000円
2割負担
約8,000円
3割負担
約12,000円

基本診療料(初診料・再診料)、検査費用は含まれていません

麦粒腫・霰粒腫

麦粒腫(ばくりゅうしゅ)や霰粒腫(さんりゅうしゅ)は、どちらも「ものもらい」などと呼ばれることがあるまぶたの病気です。

一般的には麦粒腫が「ものもらい」と呼ばれるもので、まぶたの縁や内部に細菌が感染して炎症を起こし、赤く腫れる、かゆみや痛み、目やにが出るなどの症状が現れます。症状が進むと、目の周りの広い範囲に腫れや赤みが及びます。原因となる細菌は黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌など身近にある菌(常在菌)のことがほとんどです。

霰粒腫は細菌の感染によるものではなく、涙の成分を分泌する腺(マイボーム腺)の出口が詰まり、分泌物の油がまぶたの内部にたまって起こるものです。マイボーム腺は涙の蒸発を防ぐ油分を分泌する役割を持っており、劣化した油分が詰まる場合があります。症状としては痛みや赤みは現れず、皮膚の下にコリコリとした「しこり」が生じます。自然に治ることもありますが、大きくなると異物感が生じたり、まぶたの外側や内側に破れる場合があります。また、霰粒腫に細菌感染が加わり、赤く腫れる、痛みなど、麦粒腫と同様の症状が起こる場合もあります。

治療としては、麦粒腫では抗菌薬の点眼や軟膏の塗布を行います。炎症が進行している場合は内服薬を用いることもあります。また腫れが大きい場合は切開して膿を排出することもあります。
霰粒腫に関しては、経過観察をしても軽快せず大きくなってしまった場合は、手術による摘出を行うことがあります。

霰粒腫摘出術 料金
1割負担
約1,000円
2割負担
約2,000円
3割負担
約3,000円

基本診療料(初診料・再診料)、検査費用は含まれていません

逆さまつげ(眼瞼内反症 睫毛内反症 睫毛乱生症)

まつげは本来、まぶたの縁から眼球とは反対側へ向かい、眼球にあたらないように生えています。
しかし、「逆さまつげ」では、何らかの原因でまつげが眼球の方へ向かっています。そのため、まつげが眼球にあたってしまい、ゴロゴロする異物感や痛み、なみだ目や目やに、まぶしさを感じるなどの症状が現れることがあります。ひどくなると角膜に炎症やびらん、潰瘍ができることもあります。

逆さまつげの原因

逆さまつげには、大きく分けると、まぶたの縁が眼球に向かってしまうもの(下記①)と、まつげが眼球に向かって生えてしまうもの(下記② ③)との2種類があります。

眼瞼内反症がんけんないはんしょう
眼瞼内反症

眼瞼内反症

まぶたの形状に問題があり、まぶたの縁が眼球に向かってしまうと、まぶたの先端から生えているまつげが眼球にあたってしまいます。眼瞼内反症には、先天性のものと、加齢性のものがあります。

先天性眼瞼内反症
生まれつきまぶたが眼球に向かっているものです。成長とともに改善することもありますが、治らない場合は手術を検討します。
老人性眼瞼内反症
加齢によって、まぶたを支える組織が緩んだり、皮膚がたるんだりして、まぶたが眼球側にめくれてしまうものです。自然に治ることはありません。
睫毛内反症しょうもうないはんしょう

まつげの生え方は正常であっても、まぶたの皮膚が厚いためにできた皮膚のヒダにより、まつげが皮膚におさえ込まれて内側に向かい、眼球にあたってしまうものです。

睫毛乱生症しょうもうらんせいしょう

まつげの毛根の周辺で起きた炎症などのために、まつげの生える向きが不規則に乱れてしまい、まつげが眼球にあたってしまうものです。

逆さまつげの治療

先天性眼瞼内反症は成長するにつれて改善することがあるため、まず様子をみます。しかし、3歳頃までに治らなければ、その後改善する可能性は低いため、症状が強い場合は手術を検討します。全身麻酔での手術となるため、治療可能な施設へご紹介します。

加齢による老人性眼瞼内反症は、自然に治ることはありません。眼球にあたるまつげを抜いたり、点眼薬で傷や異物感、痛みを抑えたりする治療を行いますが、症状が強い場合は手術を行います。

睫毛乱生症は、眼球にあたるまつげを抜いたり、点眼薬を使用して症状を和らげます。また、まつげの毛根を電気分解などにより破壊する治療もありますが、当院では行っておりません。

眼瞼内反症手術 料金
1割負担
約3,000円
2割負担
約6,000円
3割負担
約9,000円

基本診療料(初診料・再診料)、検査費用は含まれていません