近視進行抑制の重要性

近視とは、眼の中に入った光のピントが合う位置が網膜より前になっている状態のことをいいます。近視人口は急増しており、今や日本の若年者の半数以上は近視といわれています。
これまでは、近視になるのは仕方がない、進行したら眼鏡やコンタクトレンズを使用すればよいという考えが一般的でした。しかし、近視が進行するほど視覚障害につながる病気を引き起こしやすく、ひいては失明の危険性が高くなることがわかっています。
ここでいう視覚障害とは、眼鏡やコンタクトレンズで矯正しても視力が出ない状態を意味します。裸眼視力が悪いことを指すのではありません。

小中学生の近視は要注意です

眼球断面図 軸性近視

近視は眼軸長(眼球の奥行の長さ)が長くなることで発症します。近視は18歳頃まで進行するため、発症が早ければ早いほど急激に眼軸長が伸びやすく、近視が進行しやすくなります。
成人の眼軸長の平均は24mmですが、26mm以上に伸びると強度近視といわれ、中高年になったときに網膜剥離・緑内障・白内障・近視性黄斑症などの眼疾患になる危険性が高くなります。

近視が速く進む可能性が高い小児期に近視の進行を抑えることが、将来の見え方を守り、目の病気になる可能性を減らすことにつながります。

近視進行抑制治療(イメージ図)

近視進行の予測と近視進行抑制効果の判定方法

眼軸長解析ソフトウェア Axial Manager

眼軸長解析ソフトウェア
Axial Manager

当院では、眼軸長を測定して専用の解析ソフトウェアを用いることにより、将来の眼軸長の伸びや近視度数を予測することができます。お子さんの年齢、他の人との比較等から解析して、将来強度近視になる可能性が高いと予測される場合は、病的近視を防ぐために近視進行抑制治療を行うことが推奨されます。

眼軸長解析ソフトウェアAxial Managerでは以下のことがわかります。近視進行抑制治療を行う場合、これらの結果を用いて治療効果を判定します。

  • A 眼軸長の変化(どれくらい伸びているか)
  • B 伸び量の変化(傾き)
  • C 他の人と比べて長いか短いか
  • D 予測値と比較してどれくらい伸びが抑えられているか

近視進行抑制治療について

生活習慣の改善

  • 読書・学習・スマホ・ゲーム・タブレットなどは、30cm以上離して見るようにしてください。
  • 20分近くを見続けたら休憩して20秒以上遠くを見ましょう。
  • 1日に2時間以上の屋外活動が近視進行を抑制することがわかっています。

リジュセアミニ点眼液0.025%

リジュセアミニ点眼液0.025%は、2025年4月に日本で初めての近視の進行抑制を目的とした点眼剤として参天製薬から発売されました。この薬は眼軸長が伸びるのを抑えることで、近視の進行を抑制することが期待できます。

リジュセアミニ点眼液0.025%の使い方

1回1滴、1日1回就寝前に点眼します。

リジュセアミニ点眼液0.025%

リジュセアミニ点眼液0.025%  参天製薬

治療の対象

リジュセアミニ点眼液0.025%は、5~15歳の近視患者に2年間投与した臨床試験の結果、近視抑制効果が認められたことにより承認されました。ただし、15歳以降でも近視は進行するため、近視の進行が止まる10代後半まで治療を継続することが必要です。
また、5歳以前でも近視が発症することがあるので、お子さんの近視の程度、眼軸長、ご両親の近視の程度などから治療の必要性を総合的に判断します。

費用

リジュセアミニによる治療は選定療養の対象です。検査は保険診療ですが、薬剤費用は自費(公的医療保険の対象外)となります。

費用 4,300円(税込)/30日分

副作用等で治療を中止した場合でも、一旦処方した点眼薬については原則、返品・返金に応じることはできない旨、あらかじめご了承ください。

本治療は、近視の進行を抑えることを目的としています。ただし、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、その点をご理解ください。
近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要となります。

オルソケラトロジー

特殊な形状が施された、治療用ハードコンタクトレンズを夜寝る前につけて、朝起きたらはずします。就寝中にレンズが角膜の形を変化させ、裸眼視力を矯正するのが特徴です。それにより翌朝レンズをはずした後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、裸眼で過ごせるようになります。

オルソケラトロジー

オルソケラトロジーの本来の目的は、裸眼視力向上により日中裸眼で過ごすことを可能にすることでしたが、最近になり、小児期に使用することで眼軸長の伸びを抑え、近視進行抑制効果が期待できることがわかってきました。

オルソケラトロジーの治療費用

当院では、治療用コンタクトレンズのレンタル費用及び検査費用を毎月一定とする定額制を採用しています。ただし、適応検査、お試し費用(本治療開始時に返金)、ケア用品の費用は別途必要です。

月額費用
両眼 8,800円(税込)
片眼 5,500円(税込)
  • 治療用レンズのレンタル料、定期検査が含まれます。
治療開始に必要な費用
適応検査 5,500円(税込)
お試し費用 (お試しレンズ保証金)
両眼 30,000円(税込)
片眼 15,000円(税込)
  • お試しレンズのご返却で全額返金いたします。レンズを紛失、破損した場合は返金を致しかねます。

レッドライト治療

2014年に中国において、赤色光が近視眼での眼軸長の伸びを抑制する効果を持つことが発見されました。それ以降中国国内においてこの赤色光が近視進行を抑制する研究結果が多く報告され、レッドライト治療として実用化されました。当初は中国国内を中心に行われていましたが、2021年にアメリカの眼科学術雑誌でレッドライト治療の有効性が発表されてからは世界中で注目を集める治療法となりました。その後、他の治療法との比較、副作用など多くの報告が集まっており、多数の国で治療に使用されています。

レッドライト治療の効果を2年間にわたり研究した結果が2022年に眼科の学術雑誌に報告されました。結果は以下の通りでした。

  • 2年を通じてレッドライト治療を行ったグループは、治療を行わなかったグループと比べて、眼軸長の伸びが抑えられており、近視進行を抑制する優れた効果が得られました。
  • 1年目は治療を行わず眼軸長が伸びたグループに対して2年目にレッドライト治療を行うと、眼軸長の伸びは抑えられました。
  • 1年目はレッドライト治療を行い眼軸長の伸びが抑えられていたグループが2年目に治療を中止すると眼軸長が伸びて近視が進行しました
  • レッドライト治療を全く行わなかったグループは、他のグループよりも大きな眼軸長の伸びがみられました。
近視治療用機器の紹介
レッドライト治療で使用するEyerising近視治療用機器

レッドライト治療で使用する
Eyerising近視治療用機器

レッドライト治療に使用されるのは、オーストラリアのEyerising International社が製造するEyerising(アイライジング)近視治療用機器という装置です。2023年時点で中国、オーストラリア、英国、EU加盟諸国など世界6地域、30か国以上で認可されています。ただし、日本では未承認であり、保険診療の対象とはならず自費診療となります。

Eyerinsingの使用方法

本治療器はご自宅でインターネットに接続しながら使用します。使用する時は治療器を2.4GHz帯のWi-Fiに接続する必要があります。
1日2回、1回につき3分間、治療器のアイマスクをのぞき込んで、レッドライトを眼に照射することで治療効果が得られます。基本的には1日2回、週に5日間行いますが、必ずしも1日2回である必要はなく、1週間に10回となるように治療スケジュールを調整しても構いません。ただし、治療間隔は4時間以上空ける必要があります。規定の照射時間、回数を超える使用はできない設定になっています。

適応条件
  • 3歳以上
  • すでに近視を発症している子ども
  • 将来的に強度近視になる可能性が高いと予測される子ども
禁忌(当てはまると治療不可)
  • 斜視
  • 両眼を使って見ることに抵抗や異常がある
  • どちらかの眼に異常がある、またはその他の全身的な異常がある
  • 遺伝性網脈絡膜疾患の家族歴がある
  • 瞳孔散大(散瞳)
  • 低濃度アトロピン点眼との併用はできません。治療開始の2週間前には低濃度アトロピン点眼を中止する必要があります。
治療の副作用・注意点

「直後の副作用」

  • 一時的なまぶしさ
  • 見にくさ
  • 残像 など

残像は最も一般的な副作用です。 治療終了後に眼を休めることで残像は3分以内に消失し、回数を重ねることで症状が続く時間は短くなると言われています。
治療終了後に5分以上残像が続くことが3回以上あれば、本治療をただちに中止して医師に相談してください。

  • 12歳の中国人女性が本治療器での治療中に8分を超える残像と視力低下を自覚したため、医師から治療の中止を勧告されたにもかかわらず治療を継続した結果、網膜障害と視力低下が生じた例が報告されています。治療を中止した結果、4か月後には網膜所見、視力低下は完全回復しました。稀なケースではありますが、安全のため治療終了後に5分以上まぶしさや残像が続くことが3回以上あった場合は速やかに相談してください。
治療の流れ
  • 適応検査
  • 治療器のお渡し
  • 登録・治療開始
  • 1か月(45日間)のトライアル後、
    治療継続を判断
  • 定期検査
治療器貸出・治療費・検査費について
1年目
適応検査 11,000円
(税込)
屈折、視力、眼軸長測定、
OCT等の眼底検査
治療器貸出
(1か月)
9,900円
(税込)
治療器貸出
1か月のトライアル後、治療を継続する場合
治療器貸出・
治療・検査費
156,000円
(税込)
治療開始後1、3、
6、9、12か月後の
計5回分の検査費用
    
2年目以降
治療・検査費 5,500円(税込) 1回受診ごとの検査費用
6か月ごと目安
  • 2年目以降は、治療器貸出費用は必要ありません。

上記の当院での費用に加えて、機器メーカーに直接支払う費用(サブスクリプション料金)が必要です。

利用料
1か月(45日間)
無償プラン
無償
毎月払い 8,250円(税込)
1年分一括払い 89,100円(税込)
10%割引
2年分一括払い 158,400円(税込)
20%割引
  • 支払い完了後は、サブスクリプション料金の返金は受けられません。

治療器をご自宅へ持ち帰った後、梱包箱上部に貼付されているQRコードを読み取り、ポータルサイトでユーザー登録、及びサブスクリプション料金のプランの選択をします。最初の1か月(45日間)は無償プランの選択が可能です。

治療器を使用するためのログインユーザーIDやパスワードも手続き完了後に確定します。
患者登録は1台につき5人まで登録が可能です(人数分のサブスクリプション料金の支払いが必要です)。 サブスクリプション料金の支払いはクレジットカード払い(JCBは不可)のみとなります。

1か月無償プラン終了時に受診していただきます。治療を継続する場合は、それ以降の治療器貸出・治療・検査費用のお支払いと、メーカーのサブスクリプション料金の変更が必要です。

治療器の保証
  • 治療器の耐用年数、保証期間は製造から5年間で、基本メンテナンスフリーです。
    耐用年数経過後も治療継続を希望する場合は、新しい治療器を無料で提供いたします。
  • 保証期間中に正しい方法で使用したにもかかわらず、製品の故障が発生した場合は交換品を無償提供いたします。
  • 以下の事由により故障が発生した場合の修理は保証の対象外となります。
    • 損傷、落下、機械的な損傷、水の浸入など、偶発的な要因や人的な要因などによる故障
    • 不可抗力(落雷、地震、火災、その他の天災)による損害
  • 治療器に貼付されたステッカーが取り除かれたり、拭き取られたり、こすり取られたり等、変更されている場合も保証の対象外となります。
  • 製品の保証に係る最終的な判断はメーカーが決定する権利を有しています。
治療を中止する場合

治療経過中に問題が生じて、医師が治療を継続すべきでないと判断した場合、治療開始後6か月以内であれば、治療器貸出費用、治療費、検査費を中止時期に応じて最大40%返金いたします。それ以降の返金はできません。

患者さんのご都合で治療を中止する場合、返金は受けられません。